一日の身体の変化と代謝
今回は、一日の身体の変化について代謝を主に見てまいります。体内では食事によって取り込まれた物が分解され、一部はエネルギーになり、その他は貯蔵され最終的には体外へ排出されます。よく代謝があがれば痩せるなどいわれますが、代謝とは体内のいたるところで起きてきるエネルギー消費のことです。脂肪細胞が分解されたり、食事をとって消化器が働いたり、運動して筋肉を使ったりなど体内では、色々なところでエネルギーが消費されます。
起床時は、総代謝の約20%、昼には、約60から70%、夕方から夜にかけてほぼ100%に近づきます。代謝は、基礎代謝、生活代謝、食事代謝に分かれます。基礎代謝とは、目を瞑って横になった状態で消費するエネルギー量です。心臓が動く、肺が動く、血液が循環するなど生きていく最低限の活動消費エネルギー量です。生活代謝とは、動いたり考えたりなど基礎代謝の状態から体内の細胞が活動することによるエネルギー消費量です。食事代謝とは、食事をすることによって腸などが動くことにより消費するエネルギー消費量です。それぞれ総代謝量の70〜80%、20〜30%、約10%となります。
運動と食事の関係
代謝から運動と食事の関係を考えていきます。例えば体重を効率的に減らしたい場合はどのような組み合わせが効率的でしょうか。有酸素運動を用いるのであれば、代謝の低い午前中が運動と代謝の両方に効果を発揮します。運動量が同じだとすると、効率良く代謝を上げた分だけカロリーを多く消費できます。そのため、代謝がまだ上がり切っていない朝から午前中に行うことにより代謝による恩恵が得られます。逆に、夜は代謝が上がり切っており、有酸素運動の効果のみで代謝の効果は受けにくい時間帯です。活動代謝をあげられる時間が効率が良いことがわかります。他方、無酸素運動は、筋肉量を増やして基礎代謝を上げることを目的とした運動です。そのため有酸素運動に比べて一気に活動代謝が上がるわけではないため、朝のトレーニング効果は有酸素運動に比べて少なくなります。単純に代謝だけを考えるとこのようになります。有酸素運動は、異化運動のため、筋肉を作ることが目的ではなく、体内を循環させることを目的としていますので、単純に効果を得やすいです。他方、筋肉トレーニングは同化運動ですので筋肉量を増やすことを目的に行うのであれば、代謝変化の少ない昼以降が効率的となります。このように目的によって異なります。
効率的な代謝の上げ方
食事の取り方も一番効率がよいのは、代謝が上がり切っていない朝にしっかりと夜は控えめにとなります。夕食を就寝2時間前までに取ることが推奨されているのは、就寝により代謝が一気に落ちるため、体内に蓄積しやすいためです。代謝の約10%を占める食事代謝は、朝の食事によるものがほとんどで、代謝が上がり切った夕食にはほぼ効果が無いことがわかります。
代謝を効率的に考えた運動や食事は、余裕を持たせるために必要なことなのかもしれませし、効率的に太りにくい身体になってくれます。
動的ストレッチと静的ストレッチ
余談ですが、ストレッチにも同様のことがあります。ストレッチには、動的ストレッチと静的ストレッチがあります。動的ストレッチとは、これから動くためのストレッチであり、静的ストレッチとは、これから休むため、リラックスするためのストレッチです。例えば10キロの重りを持ってトレーニングをする場合には、最初は3キロ、続いてに7キロと同じフォームで使う関節や筋肉をほぐしながら負荷をかけていくのが動的ストレッチです。そのため、運動しながら少しずつ強度を上げていくことが効果的です。他方静的ストレッチは、リラックスするためのストレッチですので、これから就寝に向かう時間帯に行うのが効果的です。朝にストレッチを行う方もいらっしゃると思います。目的は、就寝中に固まった筋肉や関節をほぐすことですが、これは動的ストレッチと静的ストレッチの中間のようなイメージでしょうか。
運動、食事、ストレッチなど目的に合わせて代謝を考えながら行うと効果が倍増しますね。色々なパターンをお試しいただき、最適な時間と内容を考えてみると一日を上手に使えますね。