無酸素運動について

心とからだの健康づくり新聞

有酸素運動についていかがでしたか。今回は、無酸素運動(筋肉トレーニング)を中心に記してまいります。

筋肉の分類
先ずは、筋肉の分類です。横紋筋や平滑筋、平行筋や羽状筋などいくつかありますが、平行筋と羽状筋についての理解が必要です。上腕二頭筋のように盛り上がる筋肉が平行筋です。筋線維の1本1本が筋肉の長軸に向かって平行に走っているため、大きく収縮させることが出来き、スピードを出すのに適した筋肉です。一方、大腿四頭筋や上腕三頭筋、背中の筋肉は羽状筋です。鳥の羽のように筋線維が少し傾いて斜めに走っている筋肉で、筋線維は平行筋と比べて短く、収縮が小さいため力を出すことに向いています。伸筋には羽状筋が多く、屈筋には平行筋が多いという傾向があります。

多関節運動と単関節運動
トレーニングの種類には、多関節運動と単関節運動があります。ベンチプレスのように肩関節、肩甲骨関節、肘関節など2つ以上の関節を同時に動かす運動が多関節運動で背中から上腕などいくつもの筋肉に負荷がかかります。他方、肘を曲げる上腕二頭筋のトレーニングのように単独の関節を動かし、一つの筋肉へ負荷をかける運動が単関節運動です。平行筋は、長軸方向へ長く伸びた筋肉のため、筋肉を最大限収縮と進展させることによって負荷が大きくなり、羽状筋は、筋繊維が短いため収縮進展による効果は小さいが、大きな負荷を掛けたトレーニングが筋肥大をおこしやすくなります。上腕二頭筋のトレーニングでは、進展0度から屈曲135度まで動かしてあげること、しっかり単関節運動(肩関節が一緒に動きやすい)を行い、高重量を用いることではありません。羽状筋である上腕三頭筋のトレーニングでは、関節の可動域を大きくとるより、高重量のトレーニングが筋肥大への近道です。筋肥大による効果は、基礎代謝をアップさせる、日常生活に対応するための筋力を得る、腰痛など身体の各部をケアする、ですので、目的に合わせてたメニューを作りましょう。

トレーニング回数
続いてトレーニング回数です。日本では10〜12回3セットが主流です。筋肉にしっかりと負荷がかかっていることが目的です。筋肉が張る感じがする、少し痛みがあるなど筋肉の変化が無いと効果が認められません。カナダで行われた研究により、高強度のトレーニングを少ない回数こなした場合と、低強度のトレーニングを多くの回数こなした場合で、筋肉の増加量に差はないという事実が明らかになりました。最初は、回数を10回3セットと固定し、3セット終了後にしっかりと筋肉の変化を感じること、慣れてきたら回数をそのままに重量を上げていきフォームの固定を行います。その後は瞬発的か、耐久的かなど目的に合わせて、重量や回数を変化させましょう。また、セット間のインターバルが長いと、筋肉の成長を促す成長ホルモンが分泌されにくいため、インターバルは1分ほどと短くするとさらに効果的です。ある程度疲労を溜めることで成長ホルモンの分泌が増え、筋肥大につながります。睡眠時、特に深い眠りのレム睡眠時に分泌されますので、質の良い睡眠も大切です。

回復と筋肥大
筋トレ後に筋肉が回復し筋肥大するには24~72時間が必要なため、筋トレの頻度は週2~3回がベストとされています。毎日トレーニングをしたい場合は、いくつかの部位をローテションで鍛えるのが主流です。また、筋肥大のためにはバランスよく栄養を補給することが必要であり、タンパク質はプロテインなども活用して積極的に摂る必要があります。筋トレ後30以内にタンパク質を摂ると、筋肉への吸収率が高くなります。 さらに、筋トレ前にエネルギーとなる糖質や必須アミノ酸を補給しておくとエネルギー変換をしやすくなります。筋肉が肥大する過程では、分解と合成が繰り返し行われます。トレーニングだけではなく、食事や睡眠にも気を配り、健康的な日々を目指しましょう。

次回は、有酸素運動と無酸素運動の目的に合わせた効率良い組み合わせ方です。毎日の健康的な生活のために少しでもお役にたてれば幸いです。

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