コロナ禍を経験して
近年生活様式やリモートワークの導入などさまざまなことが変化しました。体力の衰えや病気に対する不安もあるかもしれません。コロナ禍以前と何が変わったのか?身体にはどのような変化があったのか?今回はこのあたりに注目して記してまいります。
コミュニケーションと直感力
リモートワークの普及により、出勤回数が減った方も多いと思います。お買い物の回数を減らしたり、病院へ行く回数も減っているかもしれません。行動範囲の減少やコミュニケーションの低下は、人間の直感力を低下させます。人間の思考には、ゆっくりとした思考と早い思考があります。それぞれ大脳新皮質と扁桃体が主に担っており、リモートワークやコミュニケーションの不足は、扁桃体の刺激を低下させます。脳科学者の間では、早い思考が衰えていることに警戒を鳴らす方も出てきております。早い思考は時に間違えることもありますが、直感力を生み出してくれます。この思考が低下すると感情表現や動物的思考が低下します。
早い思考と遅い思考
人はまず考え、続いてそれを判断し、他人と共有するように出来ています。早い思考とはひらめきであり、考えて共有するのは遅い思考です。頭が痛くなった時や眩暈を感じた時を想像してください。風邪をひいていればそのせいかもしれませんが、原因が思いつかない時には不安になります。もしかしたら脳梗塞のサインかもしれません。そのような時に早い思考が 病院に行った方がいいよ と呼びかけてくれます。検査をして何もなければそれでいいのです。ただ、大丈夫だと思って何かあった時には後悔します。近年は糖尿病やアルコール依存症、高血圧や痛風などの患者様が増えています。気づかないうちに食生活が変化し、飲酒量が増えているのかもしれません。病院に行くのを躊躇していたのかもしれません。友人や家族にも相談出来ずいるのかもしれません。私達は、常に早い思考と遅い思考を限られた条件の中でバランスよく働かせておかなければなりません。
運動と思考
対面コミュニケーションをしっかりとり、身体を動かすことによって早い思考や動物的思考が活性化されます。友人との会話は、高揚感をもたらすドーパミンやアドレナリンを分泌させます。それにより集中力が高まりエネルギーが湧いてきてストレスが減少します。運動は、幸せホルモンであるエンドルフィンを分泌します。また、筋肉を使うことにより乳酸が放出されます。乳酸は脳細胞と結合し、不安を緩和してくれます。20分程度の軽い運動でも扁桃体が活性化し、不安を解消するとのエビデンスがあります。ウォーキングやヨガ、サイクリングや軽いウェイトトレーニングなど心拍数を少し上げる程度で十分です。また長期的な継続は、脳の構造の変化を起こす事もわかっています。運動は、筋肉を肥大させて代謝を上げるだけでなく、脳細胞の構造を変化させ、不安感を低下し、思考も変える効果もあるのです。