体内時計と運動について

心とからだの健康づくり新聞

体内時計と運動について

規則正しい食事で変化は感じられますか。

エビデンスという言葉が頻繁に出てきますが、直訳すると証拠という意味です。多くの事例を集めて導き出された結果は、信憑性が高いという考え方です。皆様は歯ブラシをどれくらいの期間で変えますか?歯ブラシは、口内を綺麗にする道具です。毛の部分には、口内の細菌が少しずつ付着し、洗い終わった口内の細菌量より多くなると同じ歯ブラシを使う意味がなくなってしまいます。何万人というデータを収集すると、4週間でこの現象が起こりますので、交換する周期は4週間が理想となります。これがエビデンスのあるお話です。

体内時計と運動の関係性について

今回は、運動と体内時計についてです。運動には、自律神経の調整を行い、心身のバランスを整える効果があります。自律神経とは、脳から身体につながる神経の一つで、無意識下に心臓やその他臓器を動かしています。他方、意識的に身体の筋肉を動かすのが体性神経です。自律神経には、交感神経と副交感神経があり、それぞれ緊張状態やリラックス状態に働きます。交感神経優位の人が圧倒的に多く、自律神経失調症とは、交感神経の働きが強くなりバランスを崩すことが原因です。相手の話が終わらないうちに話してしまう人や、必要以上に多くの事を話してしまう人は、交感神経優位、相手の話の内容やペースに惑わされずゆっくりと自分のペースで話される方は、副交感神経優位の方が多いです。自分が交感神経優位のタイプか、副交感神経優位のタイプかわかると心身の調整をスムーズに行いやすくなります。

重要な会議がある、大会があるなど、緊張した状態では交感神経が優位となります。緊張した状態の時に深呼吸をすると力が抜け、力を発揮出来た経験はありませんか?これは、深呼吸により副交感神経の働きが強くなり、リラックスした状態となるためです。さらに繰り返すと、一層落ち着いた状態となります。長時間の集中時には、副交感神経優位の状態がパフォーマンスをあげやすくするのです。呼吸一つでパフォーマンスを調整出来る術を身につけると素晴らしいですね。

体内時計の調整は運動による自律神経の調整でもある

自律神経の調整は、体内時計の調整でもあります。呼吸によって緊張を解すことも大切ですし、運動によってバランスの良い状態を維持する事も大切です。仕事が忙しくなるとストレスがたまります。このような時は交感神経優位ですから、よりゆっくりとランニングを行ったり、ウェイトトレーニングでも重量を下げ、回数を増やしてあげれば副交感神経を刺激してくれます。逆に、長時間リラックスしていると副交感神経が優位になりますから、時間が短くとも速度を上げたランニングや、回数が少なくとも重量を上げたトレーニングをすると交感神経を刺激してくれます。また、ヨガや太極拳などゆっくりとしたスタジオレッスンは副交感神経を刺激し、ダンスやステップなどの激しいレッスンは、交感神経を刺激します。運動を習慣化すると、バランスのよい状態を維持しやすくなるため、一時的な緊張状態を短時間で修復してくれる効果があります。

体内時計調整のために運動や呼吸を利用しましょう

自律神経にもサーカディアンリズムが存在します。午前中は交感神経が、午後から夜にかけては副交感神経の活動が高まります。重要な会議や集中した勉強は、午前中の方が効率的です。運動や呼吸を利用して、日々のストレスを少しでも少なく出来るような術を身につけると、楽しい毎日を過ごせますね。

次回は、体内時計から少し離れまして、体重の増減について記したいと思います。体重が増える時には、体内で何が起きているのか。また、減る時には何が減っているのか。などなどです。

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